占いでよく聞く「エレメント」の本質を完全理解!西洋占星術とタロットでの扱われ方を知る!

占いを知る

占いに関わっていると必ず耳にするのが「エレメント」という言葉。よく聞く単語かと存じますが、その本質とは一体何なのでございましょうか。

今回の記事では、この「エレメント」について深く掘り下げ、タロット占いと西洋占星術の2つの占術での扱われ方について解説いたします!

エレメントとは?

一般的に占い界隈では、「エレメント」は「元素」と呼ばれ、火、地、風、水の4つがあり、これらはあらゆるものの根源となるもの、性質を包含する抽象的概念であるとされています。

例えば、この人は「火の元素が強い人である」と言ったとき、その人の精神が燃えているあの「火」から出来ていると言っているのではなく、自由で快活、素直な影響力がある精神的性質が強いと言っているわけでございますね。

つまり、火、地、風、水というのは、私たちが日常生活で使う意味とは少し違い、それぞれが指し示す特定の性質のことを指しているということになります。

エレメントを形作る考え方、「熱、冷、乾、湿」

「火、地、風、水」の4つのエレメントの性質は、実は「熱、冷、乾、湿」というさらに4つの要素から形作られています。これらは……

  • 熱:運動する(動く)
  • 冷:静止する(止まる)
  • 乾:拡散する(離れる)
  • 湿:収束する(くっつく)

というように、これらもまた特定の性質を意味しており、これらの組み合わせによって4つのエレメントの基本イメージが出来上がります。

「熱」と「乾」が組み合わさって「火」が、「冷」と「乾」が組み合わさって「地」が、「熱」と「湿」が組み合わさって「風」が、「冷」と「湿」が組み合わさって「水」が表されるのですね。

「火、地、風、水」それぞれの性質

いよいよの本題、エレメントと呼ばれる「火、地、風、水」の性質はこのようになっています。

:自由で独立性が強く、関わったもの全てに広く影響を与える。快活でエネルギッシュ、情熱的で、素直。熱気は上に昇っていくことから、野心や向上心なども表している。それに加え、木も火の象徴物であり、生命力なども暗示する。

→熱と乾の性質で大きく動いて拡散していくことから、自由を求めて広がり、一か所にはあまり留まらないイメージである。動く性質から影響を与える側になりやすく、拡散でその影響力は広く及ぶ。

:安定していて計画性が高く、忍耐力がある。感覚も鋭く、五感を使った活動も得意になりやすい。具体的で感覚で捉えられるものに対する観察力、管理力が高い。

→冷と乾の性質で散らばったまま動かずにいることから、集まらずに個々で黙々と物事に取り組み続けるイメージとなる。止まる性質から影響を受ける側になりやすく、拡散でその影響を外側、つまり肉体的に受け取る。

情報を扱うのが得意で、知識量も多い。フットワークも軽く、知的活動が開かれている。情報交換という意味でのコミュニケーションも象徴する。

→熱と湿の性質で大きく動きながら、その都度収束するので、色々な場所に行って多くの繋がりを持つようなイメージとなる。動く性質から影響を与える側になりやすく、収束でその影響力を深める。

情緒的な繋がりを得意とし、気持ちの共有や人間関係を重要視する。受け取る力が最も強く、共感能力も高いため、霊的なものを認識することもある。

→冷と湿の性質で集まってその状態から動かないので、何かにくっついてその物事に同化、共感するイメージとなる。止まる性質から影響を受ける側になりやすく、収束でその影響を内側、つまり精神的に深く落とし込む。

西洋占星術での扱われ方

西洋占星術では、エレメントはそのまま星座(サイン)に関係します。12星座の内、3つずつ各エレメントに対応しており、3つともその星座(サイン)が対応するエレメントの特徴を持っていながら、少しずつその性質が異なっています。

エレメントとそれに対応する星座(サイン)はこのようになっています。

  • ……牡羊座、獅子座、射手座
  • ……牡牛座、乙女座、山羊座
  • ……双子座、天秤座、水瓶座
  • ……蟹座、蠍座、魚座

これらの星座(サイン)が天体の配置図であるホロスコープ上で、月、水星、金星、太陽、火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星の10天体分ありますから、各エレメントの星座をどれくらいの割合になっているかということも要素の1つとして読み込むことになります。

個人のホロスコープを読み解くときは、特定のエレメントが3つ以上あれば、そのエレメントの性質が特に強いとみなし、実際のご性格にもそのエレメントの性格的特性が強く表れます。

逆に、どれかのエレメントが全くない場合などは、そのエレメントの性格的特性を上手く扱うことが難しくなり、非常に弱まるか、もしくはないものを補填しようとしてその特質に固執するといったように、どちらか極端に振れます。

各エレメントの割合がどのくらいの状態でバランスが良いと感じるかは人それぞれですので、足りないものを補うのもほどほどにするのが良いでしょう。

対して物事について読み解くときは、各星座(サイン)とエレメントの性質が、そのまま物事の性質を表すとし、各星座(サイン)はあらゆる物事の象徴として扱われます。

そのため、エレメントの性質をきちんと理解しておくことで、人間の心理や運気の状況、未来予測などをするときにも役立つでしょう。

タロットでの扱われ方

タロットでは、カードの絵柄に描き込まれているエレメントの象徴物のことを”スート”と言い、当然ながらこの”スート”が各エレメントに対応しています。

小アルカナの56枚の内、14枚ずつにスートとして各エレメントがあてがわれており、エレメント毎の10枚には連続した物語があります。そして残りの4枚であるコートカードには、各エレメントの性質を持った人物が描かれています。

まずはエレメントとスート、コートカードの人物との対応関係を確認しましょう!

  • ワンド キング→
  • ペンタクル ペイジ→
  • ソード ナイト→
  • カップ クイーン→

コートカードの人物は各スートに1人ずついますから、例えば「ワンドのペイジ」であれば、火の性質が強めで地の性質も少し併せ持っている人物を象徴することになります。

そしてワンドの10枚は「自由、戦い、熱意」の物語となっており、「活力の始まり」→「目標と野心」→「模索」→「自由の喜び」→「競争による成長」→「凱旋と称賛」→「奮戦」→「急展開」→「備え」→「重荷」というようなキーワードの順でカードが並びます。

続くペンタクルの10枚は「現実生活、持ち物、成功体験」の物語です。「成功」→「やりくり」→「技量」→「執着」→「貧困と救い」→「関係性」→「改善」→「注力」→「富裕」→「世代交代」というようなキーワードの並びになります。

ソードの10枚では、「強い意志、不安、心の弱さ」の物語が紡がれます。「切り開く」→「葛藤」→「悲嘆」→「休息」→「強奪」→「離別」→「画策」→「忍耐」→「苦悩」→「終幕」というようなキーワードで幕が下ります。

カップの10枚は「愛情、親愛、豊かな感情体験」の物語となります。「愛情の湧き起こり」→「絆」→「喜びの共有」→「思索」→「喪失」→「思い出」→「幻想」→「転機」→「満足」→「幸福」というようなキーワードが連なっています。

どれもエレメントの基本的性質をしっかりと含んだカードの展開になっていますね。実際の占いの場では、全体のカード展開を見てどのエレメントが多く、どのエレメントが少ないかも解釈のヒントになります。

ここまでで学んだエレメントのイメージから、偏りによってどのようなことが暗示されているのかをしっかり読み取れるようにしましょう。

まとめ

ここまででエレメントは性質を表す抽象的な概念であることをご説明し、その性質とはどのようなものかを取り上げて参りました。

その上で、西洋占星術とタロットでの扱われ方についても触れ、西洋占星術では星座(サイン)として、タロットではスートとしてエレメントが登場しましたね。

エレメントの基本イメージとその組成をしっかりと学んでおくことで、西洋占術をより深く理解することができますから、今回の記事の内容は覚えておいてくださいね。