占いは心理テクニックによって「当たっている」と思わせているだけなのでございましょうか。実はきちんとした占いの結果には、特定の個人にしか当てはまらないような、かなり踏み込んだ内容が沢山含まれていることはご存じでございましたか?
こちらの記事では、心理テクニックの解説から占いというものの実態まで、詳しく解説いたします。これを読み終わったとき、占いへの見方が大きく変わって見識が広がることでございましょう。
誰にでも当てはまる「バーナム効果」
「占い師は誰にでも当てはまるようなことを言う」というイメージはございますでしょうか。これと関係の深い心理効果のことを「バーナム効果」と言い、これはWikipediaによると……
誰にでも該当するような曖昧で一般的な性格をあらわす記述を、自分、もしくは自分が属する特定の特徴をもつ集団だけに当てはまる性格だと捉えてしまう心理学の現象
とされておりますね。
例えば「あなたは新しいことをするとき慎重になってしまうこともありますね」といった言い回しや、「あなたは夢中になれることには集中力がありますが、そうでないことにはあまり集中が続きません」といった、ごく当たり前のことを自分に当てはまると感じてしまう現象ということでございます。
では、性格を知ることができる占いではこのような誰にでも当てはまるような曖昧なことを言っている”だけ”なのかと申しますと、もちろんそんなことはございません。違うと断言する理由も含め、以下に詳しく「占い」と「バーナム効果」の関係をお伝えして参ります。
占いとバーナム効果の関係
違うと断言したものの、皆様が仰るのもその通りで、確かに生年月日を用いた命術系統の占いとバーナム効果には切っても切れない関係がございます。なぜならば、西洋占星術やその他の占いで性格の分析をするときには、何かを言えば必ず誰にでも当てはまる部分が一定以上含まれてしまうからでございますね。
ごく簡単に、水星牡牛座の方は「深く考え込むことが多い」といった特徴がおありであると言った場合、どんな星座の方であれ深く考え込むことは一度や二度あるどころのお話ではございませんでしょうし、金星山羊座の方は「金銭の損得を考える傾向がある」と言えば、金星山羊座以外の多くの方がそれにある程度賛同されることでございましょう。
つまり、みな誰しも持っている要素がどれだけ強いかということが性格の分析であると言っても過言ではなく、性格分析がもともとそういうものであると考えても差し支えないのかもしれません。
さらに私の嗜む西洋占星術の視点から付け加えれば、どなたであってもみな、十二星座の要素すべてを持っていらっしゃるので、他の星座に関する事柄がどなたでも当てはまるということがあっても何ら不思議なことではないのです。
バーナム効果を含んでしまう性格分析に意義はあるか
誰しも持っている特徴を言われるだけならば占いによる性格分析にはあまり意味がないのでございましょうか。そもそも自分の性格は自分が一番よくわかっているのだから占う必要などないのでございましょうか。最初に提起した疑問にお答えする前に、まずはこちらからお答えしますが……
それらの答えも当然「いいえ」でございます。占いによる性格分析には非常に大きな意義があると私は自信を持ってお伝えしたいと思います。
まず性格分析は誰しも持っている特徴の強弱を伝えるものであるとお伝えしましたが、もちろんこの強弱と特徴を知っておくことには確かな意味がございますよね。その根拠として、先ほどのバーナム効果の例で用いた水星牡牛座、金星山羊座の例を掘り下げてみましょう。
・水星牡牛座の方は見聞きした情報、感じた情報を自分のものとし、言語化することに時間がかかるため、「深く考え込むことが多い」ということになる。ただし、その分理路整然としていてより現実に則した発言、地に足のついた発言になってくる特徴がある。
・そのため、頭脳労働をする場合は即決即断といったことが求められる分野はあまり適しておらず、じっくり考えて土台がしっかりした考え方が試される研究的な分野が適している。
・金星山羊座の方は堅実で節約にも労をいとわないようなストイックさをお持ちなので「金銭の損得を考える傾向がある」と言える。細かい計算、緻密な計画がお得意な分、目先の利益に囚われてしまいやすい傾向がおありなため、時間的浪費や交通費、周りの方の都合や心理的負担なども加味するような、より広域的な視点を併せ持つと隙がなくなる。
……いかがでございましょうか。いかにもバーナム効果が生じそうな一般的な特徴にかなり厚みが出て、個人的な特徴となっていることがおわかりになるかと存じます。今回は西洋占星術でございましたが、その他の占いでも上手に用いれば誰にでも当てはまる特徴だけではなく、その発展的な事柄もわかってくるということが言えるのです。
鋭い観察法 「コールド・リーディング」
続いて、ドラマ等で有名な、「コールド・リーディング」という技法が占いと一緒に引き合いに出されることもございますね。これはWikipediaによると……
話術や観察法のひとつであり、外観を観察したり何気ない会話を交わしたりするだけで相手のことを言い当て、相手に「わたしはあなたよりもあなたのことをよく知っている」と信じさせる話術や観察法である。
とされておりますね。
さらに同ページ内に「占い師、霊能者が使っている」と明記されており、これも占い師によっては用いている方もいらっしゃるのでしょう。
ただし、これが「占い」のすべてとは言い難く、外観を観察することができない「テキスト、チャット占い」がコンテンツとして賑わっていること、そしてそのコンテンツが今日まで生き残っていることの説明にはなっておりませんので、こちらはあくまで一部の方が使う「占い」の補助的な手段であると言うことができましょう。
確証バイアス
最後に、「確証バイアス」についても触れておきましょう。例によってwikipediaで定義を確認すると……
仮説や信念を検証する際にそれを支持する情報ばかりを集め、反証する情報を無視または集めようとしない傾向のこと。
とされておりますね。
占いでの具体例として、「相手の気持ちがあなた様に向いている」であったり、「あなたはこのような性格ですね」と言われた際に、都合の良い解釈をしてそれを信じ込むといったことが挙げられましょう。
こちらも占いには大いに関わりがあると言えましょうが、予めわかってさえいれば少なくとも知らず知らずの内に信じ込むことはなくなりますので、人にはこのような傾向があることは理解し、占いの結果に過度に惑わされないようにされてくださいませね。
まとめ
以上、占いといくつかの心理効果・テクニックについて記して参りましたが、どちらも関係はあれどその全貌を表すものではないということがお分かりいただけたかと存じます。
確かに心理を扱う占いも多いため、心理テクニックとも関係が深いとは言えましょうが、これらによって占いが信用できないものとなったり、価値のないものとなるわけではございませんので、ご安心くださいませ。
悲しいかな、占いと称して詐欺行為をされる方への対策として、心理テクニックに関してもしっかりと頭に入れておきつつ、占いを上手に利用、活用して参りましょうね。