西洋占星術で占ってもらいたいけれど、出生場所や出生時間がわからない。その場合に精度がどのくらい落ちて、どんなことがわからなくなるのかを知らないと不安になってしまいますよね。
そこでこちらの記事では、出生における情報が不明なときに起こることを、根本的な原因を含めて詳しく解説いたします。
わからないまま占ってもらうか、手間はかかるけれど調べてから占ってもらうかの選択をするためにも、この記事を読んでどんな影響があるかを知っておいてくださいませ!
出生場所と出生時間が不明だとどうなるのか
結論から申し上げますと、出生場所と出生時間のうち、どちらか片方でも不明になると、「天体が影響を及ぼす具体的な生活領域」「未来予測における具体的な時期」「個人が今歩んでいる人生の段階」の3つが分からなくなります。
1つ目の「天体が影響を及ぼす具体的な生活領域」がわからなくなるというのは、簡単に例えると同じ恵まれているであっても、「金運」が恵まれているのか、「対人運」が恵まれているのか、はたまた「勉強運」が恵まれているのかが非常にわかり難くなるということでございますね。
2つ目の「未来予測における具体的な時期」というのはそのままの意味で、「ここからここまでの範囲でこういったことが起こりやすい時期です」とお伝えできるはずが、最悪の場合全く時期が読めないといったことも起こります。
3つ目の「個人が今歩んでいる人生の段階」というのは、新しい目標を見つけてそれを叶えていく人生サイクルや、生まれ持った自分の人生スタイルの変化など、大まかに決まっている人生での様々な段階変化がわからなくなるということでございますね。
不都合が起きる原因
これらの不都合が起きる原因とは、その人物が地球のどの場所のどのタイミングで生まれたかを示すものである「アングル」と呼ばれるホロスコープ(天体の配置図)の軸の部分が確定できないことによります。
つまり、この「アングル」及びそれによってわかる以下の4つの感受点が表す内容と……
- ASC:その人物の個性を指し示す部分。
- IC:その人物の安らげる場所、心のよりどころを指し示す部分。
- DSC:対人関係において重要人物となる人の特質を指し示す部分。
- MC:社会的な場における個人が目指す立ち位置。
……ホロスコープの円上を4分間に1度動いてしまうこの「ASC」を始点にした「ハウス」というシステムが使えなくなってしまうのです。
この「ハウス」というシステムこそが「実生活のどのような場面、領域で」という部分を担う要素となりますから、占い結果で大事な具体性が損なわれてしまうことになるのですね。
そして時期を読み取る際にも「アングル」からわかる4つの感受点を使いますし、人生の段階を知る時にも「ハウス」システムを使います。このような理由で、最初に申し上げた3つの事柄が分からなくなってしまうということでございます。
その他の影響
さらなる不都合として、出生時間が不明の場合、360度あるホロスコープの円上に位置する「月」の細かい度数が最大で約12度、出生場所も不明だとさらにその度数のズレが広がってしまいます。
従って、度数による性格傾向と、「月」と他の天体が作り出す角度である「アスペクト」、ひいては「月」の星座(サイン)までもが本来のものとは変わってしまう可能性があり、「月」の表す「その人物の自然な反応、感情の傾向」を読み違えてしまうことに繋がります。(ただし、12星座のうちの2択までに絞れますので、その方のご性格と照らし合わせれば特定は容易でございますね)
また、「ハウス」はその人物が「外交的」か「内向的」かと「社会を重視する」か「プライベートを重視する」かを判断することにも一役買っておりますので、こういったその人物の雰囲気を汲み取ることも難しくなってしまうのでございます。
このように、せっかく得られるはずの沢山の事柄が読み取れなくなってしまいますので、できれば出生場所と出生時間の両方を調べてから占う方がよろしいでしょう。
出生場所、出生時間の調べ方
正確な出生場所、出生時間を調べる方法の一つとして、母子手帳に書かれている時間を調べることが挙げられましょう。出産時の慌ただしさによって多少時間がズレてしまっている方もどうやらいらっしゃるようではございますが、かなり信用できる出生時間であると言えましょう。
母子手帳が見当たらない場合は、へその緒の箱に書かれている時間を参考にするという方法もございます。湿度を一定に保つことができる桐の箱にへその緒を入れる習慣があるようでございますから、母子手帳がなければこちらも探してみてくださいませ。
さらには、本籍地の自治体を管轄する地方法務局に問い合わせて「出生届」を調べたり、生まれた病院の記録を調べるといったこともできるようでございます。ただしこれらには時間制限があり、「出生届」は27年間、病院等ですとカルテの類は5年以上経ってしまうと保存期間を過ぎて破棄されてしまうこともあるようでございます。
これらいずれかの方法でわからない場合は、最終手段として西洋占星術技法の一つである「レクティファイ」という方法で突き止めるということも検討に値するかと存じます。
「レクティファイ」とは、細かく動いてしまう「ASC」を始めとした動きが速い「感受点」を使って逆算するという方法で、ご依頼者様の特徴などをお聞きしながら適切な星座(サイン)を探すことで突き止めるのでございます。
まとめ
出生場所と出生時間がわからないと「天体が影響を及ぼす具体的な生活領域」「未来予測における具体的な時期」「個人が今歩んでいる人生の段階」という3つの情報が得られなくなってしまうことをお伝えいたしました。
その原因は占いで使う天体配置図の軸を確定させることができないからで、要素を掛け合わせて占い結果を導き出す西洋占星術では、思ったよりもさらに情報が激減してしまうことがわかりましたね。
もし母子手帳が見つかればそちらに出生時間が書かれておりますので、西洋占星術で得られる情報をできるだけ享受するためにも、できればお調べになってから占い依頼をされてくださいませ。